2017年8月1日火曜日

咀嚼・嚥下の仕組みと全身への役割 その1 ~ 歯根膜、噛むこと、飲み込むこと~

皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。

皆さん、食べるときによく噛んでいますか?
噛むことで脳は刺激を受けます。

噛むことと脳の活動との関係をMRI(磁気共鳴画像診断装置)を用いて調べた実験があります。
かみしめの力を20%、50%、80%と上げていくと、前頭前野の脳の活性が増加していく様子が観察されました。
fNIRS(近赤外脳機能計測法)を用いて同様の計測を行うと、脳の血流が増加していくのがわかります。
総入れ歯の状態になると、健康な歯が揃った状態に比べて脳の細胞活性はおよそ半分に低下してしまうこともわかっています。

この差を生じさせる理由の一つは、歯と支えている骨の間に存在する歯根膜という組織からの神経刺激がなくなってしまうからです。

歯根膜とは、歯の表面と周囲の骨をつなぐように存在している細い繊維の集まりです。
そのたくさんの細い繊維の集まりが、歯を宙づりにして支えているのです。

髪の毛を噛んでもそれを認識できるのは、この歯根膜がセンサーとして働いているからです。
触覚や圧力の感覚、痛覚、咀嚼固有の感覚を感じ取ることができ、食べ物がどれくらいの硬さなのかとか、唾液はどれくらい必要なのかなどの情報を、脳に直接伝えます。

脊椎動物の神経系は、脳から直接出ている12対の脳神経と、その他脊髄から出ている脊髄神経に分かれます。
歯根膜はこの12対の脳神経の一つである三叉神経につながっているセンサーで、そこで得た情報は直接脳へ届くのです。

噛むことは食べること以外にも脳への刺激にとても良いのです。
是非皆さんも、食事をする際はよく噛んでくださいね!

続きまた後半で。。。


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